Read with BonusRead with Bonus

64話

体験の感覚があまりにも素晴らしかった。

戦場を駆け巡るような、また王として天下を統べるような、とにかく言葉では言い表せないほどの心地よさだった。

欲望が極限まで満たされていく。

李二虎の耳元には、幻聴さえ聞こえてきた。自分が古筝を弾いている姿が見え、使っているのは曲麗穎の太ももにあったガーターベルトだった。

演奏している曲は……おそらく『将軍令』だろう……

「弟くん、こんなに積極的になっちゃったの?」

曲麗穎は満足げに微笑んだ。

もう少しすれば、目の前の童貞くんを完全に征服できるはずだった。

だが彼女の予想は外れた。李二虎はガーターベルトを弄ぶ楽しさを味わった後、突然手を引っ込めてしま...