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56話

「女社長、約束どおりあなたの童貞くんを連れていくわ!」

彼女は声高らかに言った。いっこうに深い眠りから覚めない趙茹のことなど気にも留めずに。

曲麗穎はすぐにベッドの傍らに来ると、李二虎の手をぐいとつかみ、命令した。「さあ、一緒に行くわよ!あの女があなたは今日私のものだって言ったでしょ!」

「まだ心の準備ができてないんだけど……」

李二虎は顔をしかめた。

曲麗穎は明らかに目的を持ってやって来たのだ。趙茹からお金を稼ぐために、見ず知らずの童貞との関係を持つことも厭わない。

正直なところ、李二虎は彼女とベッドを共にしたくなかった。

相手が女優だとしても、したくなかった。

彼は金持ちの女たちのオモチャ...