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386話

「携帯のSIMカードが曲姉さんに壊されたせいだ」

李二虎は苦笑いを浮かべた。彼は葉暁雯がどの別荘に住んでいるのか知らなかった。近くにいるとわかっていても、すぐに連絡を取る方法がなかった。

「まあいいか、やっぱり曲姉さんの方が具合が悪そうだし」

李二虎はため息をついた。

彼はだらだらと部屋を出て、階下へ向かった。

当初は曲麗穎がまだ昼食を食べていないのではと心配していたが、キッチンを覗くと、自分と葉姉さんが残した海鮮料理はきれいに平らげられていた。

明らかに曲姉さんが食べたのだろう。

李二虎は安心して、曲麗穎の傍に寄った。

しかし曲麗穎は彼を見ようともせず、ただ目の前のテレビ画面を凝視していた。...