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367話

時刻はすでに深夜。銀色の月光が紺碧の海面に降り注ぎ、人の思考まで吸い込みそうな深遠な感覚を与えていた。

李二虎は突然、緊張感を覚えた。

もし飛行機が墜落して海に突っ込んだら、自分は跡形もなく消えてしまうのではないか?

間もなく、飛行機は虹島空港に着陸した。

万家の灯火が輝く両江市とは違い、虹島はただの小さな島で、高層ビルどころか建物自体がまばらだった。

少し大きめの村落のような印象だ。

李二虎と曲麗穎は飛行機を降り、空港を出た。

曲麗穎はタクシーを拾い、李二虎を連れて海辺へと向かった。

海の島だけあって、海に近い住宅ほど価格も家賃も高くなる。海の景色には価値があるからだ。

曲麗穎は李二...