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30話

江御景は携帯を見つめ、額には汗が浮かんでいた。

父親の口ぶりからすると、家業に何か問題が起きたようで、しかも四海集団が関わっているらしい。

だが、彼自身は四海集団の趙社長に対して何か失礼をしたわけではないので、この件は自分とは無関係のはずだ。

父親に叱られたことで、江御景は食事をする気分も失せてしまった。彼は急いで昼食を済ませると、王燕を連れて個室を後にした。

「御景、ショッピングに行かない?私、すごく素敵なバッグを見つけたの」王燕は江御景の腕に自分の腕を絡ませ、甘えた声で言った。

江御景は王燕をちらりと横目で見た。

この女、自分が遊んできた女の中でも、最も見苦しい貪欲さを持っている一人だ...