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196話

体には、まだかすかな感覚が残っていた。さっき残された感覚だ。

恥ずかしいのに、同時に快感も伴っていた。

葉暁雯はこの感覚を早く忘れたいと思ったが、体の内側から湧き上がる渇望が、その記憶を拭い去ることを許さなかった。

肌はますます熱くなり、頭からは湯気が立ち上るようだった。今この瞬間、彼女は必死に火照りを鎮めたいのに、その捌け口が見つからなかった。

「男の人がいたら……」

葉暁雯の頭に、恐ろしい考えが浮かんだ。

すぐに首を振った。自分がどうしてこんなに厚顔無恥になれるのか?

夫に見放されたからといって、見知らぬ男を探すなんて、こんな不貞な行為、どうして自分にできるだろうか?

犬でさえも、一種の裏...