1話
「今日から、あなたとあなたの弟は姉さんのものよ。あなたたちの任務は姉さんを楽しませること、姉さんと寝ること、姉さんのはけ口になること、姉さんの玩具になることよ！」
「鞭にろうそく、色々な種類を用意してあるわ。栄養ドリンクも飲み放題よ」
「Yes/No？」
「もしあなたの答えがYesなら、両江ゴルフガーデン39号別荘に来てちょうだい」
李二虎は携帯に届いたメッセージを見て、苦笑いを浮かべた。
彼は身を落とした。
金持ちの女に囲われることになったのだ。
彼を囲った女性の名は趙茹。
四海グループの社長。
金も権力もある女だ。
大学を卒業したばかりの李二虎は、大手企業にも入れず、公務員試験にも受からず、営業の仕事に就くしかなかった。
ある日、上司から趙茹との商談を任された。
趙茹はとても美しく、彼が今まで見た中で最も美しく、最も気品のある女性だった。
だがこの女性は、少し変態じみていた。
彼の堂々とした容姿を見るなり、彼のズボンの中に手を入れ、甘い声で言ったのだ。「坊や、姉さんに囲われてみない？十年の回り道を省けるわよ」
その時の李二虎は、この言葉を鼻で笑い飛ばした。
男子たるもの、どうして女の下に屈するものか。
自分の実力で人生の頂点に立ちたいと思っていた。
しかし数日後、その考えは打ち砕かれた。
三年間付き合った彼女の王燕に別れを告げられたのだ。理由は性格の不一致だという。
李二虎は王燕の前にひざまずき、もう一度チャンスをくれるよう懇願した。
それでも、王燕の心を引き留めることはできなかった。
王燕の決意は固く、李二虎はどうすることもできなかった。
二人は別れた。
翌日、誰かが彼に教えてくれた。王燕がホテルで金持ちの二世と部屋を取ったと。
怒り心頭の李二虎はホテルに駆けつけ、一生忘れられない光景を目にした——
王燕はセクシーな下着姿で、金持ちの江御景に体を弄ばれ、弄ばれながら満足げに喘いでいた。
三年間の交際で、李二虎は王燕の指一本触れたことがなかった。
彼は王燕を高嶺の花だと思い、結婚して入籍しない限り、汚してはならないと考えていた。
しかし今、王燕は雌犬のように男に尻尾を振り、その卑しい姿は娼館の女さえも顔負けするほどだった。
李二虎は天が崩れ落ちる思いだった。
彼は江御景をボコボコにした。
江御景は青あざだらけになり、ホテルの警備員が来るまで止まらなかった。
「このクソガキ、覚えてろよ！お前をこの街から追い出してやる！」
去り際、江御景は捨て台詞を残した。
そして、李二虎は会社をクビになった。
会社中の嘲笑を浴びながら、退職手続きを済ませた。
男が奮闘する理由は、結局のところ事業と恋愛——つまりは金と女だ。
しかし今、李二虎はその両方を失った。
彼は開き直り、自暴自棄になった。
——投げやりになろう！
彼は趙茹に囲われることを承諾した。
……李二虎は両江ゴルフガーデンにやって来た。ここは市内で有名な別荘地区で、住んでいる人は富豪か権力者ばかり、名実ともに上流社会の居住地だった。
彼は深く息を吸い込み、中に入って39号別荘に向かった。
インターホンを鳴らす。
ドアを開けたのは執事で、李二虎をプールサイドへと案内した。