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831話

幽冥邪君の姿が一閃し、大殿から歩み出てきた。醜悪で陰気な顔には、極めて不満げな表情を浮かべ、しぶしぶと跪いた。

この法宝は本当に素晴らしい!

果たして冥界を号令できるとは!

欧陽志遠は先ほどまで自分を殺そうとしていた幽冥邪君までもが跪いているのを見て、狂喜に震えた。

「冥河邪君!」欧陽志遠は太鼓の撥を掲げ、一声叫んだ。

冥河邪君は欧陽志遠が大鼓を打とうとしているのを見て、顔色を失い、慌てて拱手して言った。「冥河邪君、ここに参上。天神様、何のご用でしょうか?」

伝説の冥界天神の法宝は、一打ちで号令、二打ちで破滅を招くという。

もう一度この蟻けらに打たれれば、自分の冥河殿までもが破壊されてしまう。...