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649話

「母上、ありがとうございます!」胡天刀は興奮した様子で言った。

「刀儿、先に行きなさい。あの小僧を逃がさないように。私もすぐ後から行くわ」と胡素晴が言った。

「はい、母上」胡天刀は一礼すると、黒い光を放つ大刀を掲げ、一筋の黒い光となって屋敷から飛び出した。

胡素晴は立ち上がり自室へ戻ると、鏡の前に立って姿を映しながら、化粧を始めた。唇の端に妖しい媚びた笑みを浮かべ、両手を広げると、白く森々とした指先から白い光が閃き、十本の爪が一尺以上に伸びた。

あの修真者を始末して、修真の血を飲めば、この私の功力は飛躍的に上がるわ!

胡素晴は妖艶に微笑み、小指を口元に持っていき、一尺もある小指の爪を...