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467話

二人は思わず目を向けた。広場の中央にある古亭の中で、一人の内門弟子が古い鐘を鳴らしていた。

これは楚家が食事を知らせるための鐘の音だ。楚家に重大事があるときだけ、この古鐘が鳴らされる。

楚雲飛は夕食の時間になったことを悟った。今夜、楚家は修真武闘大会に参加するために集まった各勢力をもてなす宴を設けるのだ。

数百人の楚家内門弟子たちは鐘の音を聞き、次々と大殿へと向かっていた。

「雲峰兄、晩餐の時間だ。下りていこうか」と楚雲飛が言った。

「ああ」蘇雲峰はうなずいた。

「雲峰兄、どうぞ先に」楚雲飛は手で先を促す仕草をした。

蘇雲峰は妖艶に微笑むと、古琴を取り出し、一筋の光となって楚家の山荘へと飛んで...