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420話

炎の山と外界を隔てる烈火の障壁に、突如として稲妻が走った。水桶ほどもある黒い電光が幾筋も絶え間なく閃き、烈火の障壁を狂ったように引き裂いていた。

この烈火の障壁は楚家が外界から炎の山の後方への侵入を防ぐために設けたもので、山荘前の海域と同様に重要な防衛の役目を担っていた。

「まずい、異変だ!皆、警戒せよ!」一人の下級内門弟子が叫び声を上げ、手にした長槍を振り上げた。百名余りの楚家内門弟子たちは一斉に足を止め、全神経を集中して警戒態勢に入った。

「急いで師叔に報告してこい!烈火の障壁が何者かの力で攻撃されている!」先頭に立つ内門弟子は即座に一人の弟子を楚家山荘へ派遣し、楚邱機に状況を報告させた。...