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38話

「お忙しいところすみません、李秘書、どうぞお入りください、どうぞ」李部長は流行の服装をした若い女性に向かって恭しく手で案内するジェスチャーをしながら、欧陽志遠に指示した。「欧陽志遠、早く李秘書にお茶を出しなさい」

欧陽志遠はその女性に気を留めず、急いで脇の給水機へ行ってお茶を淹れて差し出した。顔を上げると、その女性と視線がぶつかり、二人は同時に固まった。

あれは、あの夜、羅老の心臓発作の時に最後に駆けつけた女性ではないか？

なぜここに？

この女性は李雯といい、羅老の生活秘書だった。

李雯も少し驚いた。ここで欧陽志遠に会うとは思わなかった。

しかし場所柄ふさわしくないと感じたのか、李雯...