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320話

「うっ!」沈東は股間に鋭い痛みを感じ、本能的に腰を曲げながら思わず顔を下に向けた。冷や汗が出るほどの恐怖を覚えたが、この日本女が急所を蹴ったものの、幸い直撃ではなかったようだ。

その時、美惠子は沈東に髪を掴まれていたため、思わず小さな悲鳴を上げた。

腰を曲げたまま美惠子の一本の三つ編みを掴んだ沈東は顔を上げて彼女を見た。美惠子は首を傾げ、沈東を見返していた。あの絶世の美しさを持つ顔からは、先ほどまでの心を惑わす妖艶な表情が消え、代わりに氷のような冷酷さが漂っていた。

「三級武者?」美惠子は少し驚いた様子で言った。

沈東も同様に驚きを隠せない様子で言った。「まさか日本人のくせに、こんなに...