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312話

「何のためにこいつを生かしておく？」雪子は疑問を浮かべて欧陽志遠を見た。

欧陽志遠は雪子に一瞥をくれると前に歩み出て、倭国武士の襟首を鷲掴みにした。その眼差しには殺気が満ち溢れていた。「教えろ。お前たちがここに潜んでいた目的は何だ？」と淡々と尋ねた。

欧陽志遠の言葉を聞いて、雪子と雪美は顔を見合わせた。何かを悟ったような表情だった。

「わ、わたしは、絶対に言えないアル！」倭国武士は首を振りながら、ぎこちない口調で答えた。彼は知っていた。もし口を開けば、欧陽志遠に殺されなくても、長くは生きられないことを。

「死に際まで強情を張るつもりか？」欧陽志遠は冷ややかに笑うと、片手を武士の頭に置き...