Read with BonusRead with Bonus

216話

東方鹤は重傷を負ったのに、回復のために休むどころか、城外へと逃げ出した。きっと何か隠している秘密があるに違いない。

「はい、兄貴」李明は車のスピードを落とし、遠くから東方鹤の後を追った。

天尊山の麓まで追跡を続けると、東方鹤が一本の細い山道を通って天尊山へ入っていくのを発見した。三人は車を降り、東方鹤の追跡を続け、曲がりくねった険しい山道を一時間以上追った末、ついに人目につかない渓谷の奥にたどり着いた。遠くから東方鹤が巨石の陰に隠された拱型の石の門をくぐり抜けるのが見えた。

「兄貴、あそこに大きな洞窟があるみたいです。中に人が住んでいるんじゃないでしょうか」沈東は石の門の中で人影が揺れ動...