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178話

「壁を通り抜けるような小説の中にある不思議な能力まで持っているなら、私が寝ている間に……」

壁一枚隔てただけだと思うと、仲瑶の頬は思わず赤く染まった。しかし考えてみれば、あの呪いにかかった時、二人の間ではすでにあんな関係になっていたのだから——。緊張していた心が徐々に緩んでいったが、美しい顔は依然として赤みを帯びたままだった。

ドアの隙間から欧陽志遠を盗み見ていると、彼は七色に輝く玉の飾りを手に、にこにこしながら部屋へ向かっていた。美人警官は思わず眉をひそめた。あいつが手に持っているのは何だろう?光り輝いて、灯りに照らされると虹色の光を放っている。

どうやらあいつは普通の人間じゃない。間...