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1189話

話している間に、藍魅は急いで指輪から精巧に作られた錦の箱を取り出した。

太師椅の上で、あの虚影が玄妙な光を一閃させ、瞬時に立ち上がった。

「シュッ!」一筋の黒光が閃き、藍魅の手から錦の箱を奪い取った。

その虚影はすぐに神識と神念を箱の中に送り込み、中身を調べ始めた。

神識と神念が箱に入るや否や、彼の表情が一変した。

錦の箱が空っぽだと?

「どういうことだ?なぜ何もないのだ!?」虚影は激怒し、強烈な気配が稲妻のように藍魅を襲った。

「どうして……どうしてそんなことが?世雄は私にこの箱を万聖宗に届けさせるために、自らの元神を爆発させたというのに……」藍魅は困惑していた。

「自分で見ろ!」背筋が凍る...