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1186話

過去において、滅慈庵は長生界の他の城や宗門から極めて遠く離れ、滅慈師太も世の争いに関わらなかったため、皆がこの老婆の存在をほとんど忘れていた。

しかし一度滅慈師太の名が出れば、誰もこの老婆を軽視することはできなかった。

この老婆は五相大聖境の修為は高くないが、その半仙器の法宝は、人々を恐れさせずにはおかない。

今この老婆が趙長生という老いぼれに従ったとなると、兄の万世芳はまだ自分を救いに来るだろうか?

万世雄の目に極度の恐怖の色が浮かび、再び兄の万世芳に救援信号を送った。

「ドン!」という爆発音とともに、万世雄の救援信号が発せられるやいなや、数十万里先で恐ろしい赤い光に四散五裂させられた。

「...