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1090話

欧阳志遠は転送陣の起動法訣を掌握していたものの、玉真子から渡された法訣は不完全なものだった。そのため転送陣に歪みが生じ、三十三天界への接続が即座に行えなくなってしまった。

「バキッ……バキバキッ……」連続した砕ける音が響き渡り、転送陣に変化が起こっていた。

玉真子と玉寿年たちの目の前に、幾筋もの玄妙な光を放つ空間の亀裂が走り始めた。そこから不気味で陰鬱な気配が漏れ出してくる。

「ウオォォ……」続いて、裂け広がる空間の亀裂から、背筋が凍るような咆哮が聞こえてきた。

この不気味で陰鬱な恐ろしい叫び声は、冥界から響く鬼哭狼嗥のようで、極めて背筋が凍るほど恐ろしかった。

この老いぼれめ、転送陣の...