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36話

王道道が来る前は、柴紫煙は胡子兄に無理やり連れて行かれない限り、楚鋏は干渉するつもりはなかった。王道道が来て柴紫煙の命令通りに胡子の右手を壊しても、彼は何も言わなかった。結局、胡子兄のような輩なら、人間そのものを廃人にしても冤罪とは言えないだろう。

しかし、柴紫煙が彼を指さして顔に傷をつけろと言った時、楚鋏はちょっと呆気にとられた。彼は信じられないという顔で自分の鼻を指さし、どもりながら言った。「き、君は他人に僕の顔に傷をつけろって言ったの?」

「私は二度と同じことを言わない」柴紫煙はさらりと答え、立ち上がって外に向かおうとした。

王道道が柴紫煙に示した敬意を目の当たりにして、楚鋏は彼女...