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1689話

「半年前にゼウス王が自分が最も憎んでいる人物は楚鋭だと言ったなら、私はきっと信じなかっただろう」

その時、柴放肆はそう考えた。

結局のところ、楚鋭はゼウス王に対して何も天地を傷つけるような行為をしていなかったのだ。

だが、半年前には楚鋭と何の関わりもなかったゼウス王が、なぜ今になって彼をこれほど憎むようになったのだろうか?

柴放肆には理解できなかった。ただ、ゼウス王が「彼を憎んではいけないの?」と問い返した後、少し驚いて頷いた。

「もちろん、あなたにはその権利がある」

ゼウス王は口を尖らせた。

「じゃあなぜ不思議がるの?」

柴放肆は誠実に答えた。

「でも本当に、なぜあなたが彼を憎むの...