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167話

バーカウンターの後ろにいたあの女の子、慰めてあげたいと思ったけれど、どこか近寄りがたい気高さと凛とした雰囲気を纏っていたから、ただため息をついただけで、カウンターに伏せて楚鋭にそっくりな男の顔を描き始め、そこにペンでグサグサと突き刺した。

女の子というものは、みんな優しいもので、楚鋭のような情も義理もなく、女心を理解しない男が一番許せないのだ。

柴紫煙が自分で注いでは飲み、半分近くのヘネシーXOを空けて、ようやく本来の強気な心持ちを取り戻した頃、周伯が入ってきた。

周伯が柴紫煙を探しに来たことを察したのか、ずっと窓際を見つめていた店のオーナーは話しかけてこなかった。

「お嬢様」

「周...