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1576話

楚鐘から見れば、この武器庫の通気口さえ見つかれば、彼と黄東東はここから脱出できるはずだった。

しかし、ついにその通気口を見つけたとき、大きな失望が、次第に弱まっていく光のように、彼の全身にゆっくりと広がっていった。

通気口は彼が想像していたような、人が這い出られるほど大きく、換気扇が取り付けられているようなものではなかった。直径が10センチにも満たない曲がった通路で、彼がネズミに変身でもしない限り、這い出ることなどできるはずもなかった。

現実の失望だけでなく、楚鐘を最も打ちのめしたのは、あの甘い香りがますます濃くなるにつれ、明らかに目眩を感じ始めていることだった。

楚鐘が脱出方法を考える時間は...