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119話

婆さんが西側の部屋に入るのを見送った後、柴紫煙の顔から笑みがゆっくりと消えていった。まるでソファに座っている楚という人物が透明人間でもあるかのように、彼を一瞥もせずに、左手で軽く腰を叩きながら、右手で階段の手すりを掴んで二階へ上がり、東側の寝室へと入っていった。

「楚少。」柴紫煙も寝室に入った後、ずっと入り口で待機していた周伯が入ってきた。「旦那様が大小姐を守るために派遣した二人の娘さんは西側の客室に泊まっておりまして、私は東側の客室におります。ほほほ、これは小姐の手配でございます。先にお伝えしておきます。」

楚錚は理解した。周伯がこれを言ったのは、彼が誤って唐麒姉妹の部屋に入らないように...