君のために詩を書く

56話

「ママ！帰ってきたの？」

その声を聞いた瞬間、老李は身体が震えた。なんだこれは？ママ？春姐に息子がいるのか？

老李と春姐は二秒ほど固まった後、彼女は突然老李をドアの外へ押し出した。

ドアを再び閉める。

「息子が帰ってきたわ。あらまぁ、なんてタイミングなの。どうしましょう？」春姐は顔中に後悔と焦りを浮かべていた。

「春姐、息子さんがいるの？前は確か...」老李と彼女は顔を見合わせた。

彼女にそう触れられると、さっきまで落ち着いていた身体が一気に反応してしまった。

「老李ったら、すごく敏感なのね」春姐はちらりと見て、真剣な表情で続けた。

「姐さんは敏感な方が好き？それとも鈍感な方がいい？」老李は尋...