君のために詩を書く

302話

老李は本当に慌てた。その瞬間、不吉な予感が胸に押し寄せてきた。

まさか……自分を騙すつもりじゃないだろうな？

老李は小声で呟いた。

すぐさま、老李は気が狂ったように、六階のVIPルームも一般客室も、あらゆる隅々まで細かく探し回った。

いない！

一通り探し終えると、老李は足がガクガクになりそうだった。それでも諦めず、六階から上へと進み、十一階まで各フロアを絨毯を敷き詰めるように探し回った。肥佬のあの山のような体型を見つけようと必死だった。

彼の体型は人混みの中でも際立っていて、ただそこにいるだけで、ちらりと見るだけですぐに気づくはずだ。スロットマシンのゲームコーナーでさえ、人であふれていても、老...