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228話

「うおっ!」

大魔王は口を大きく開け、言葉にできないほどの苦痛の表情を浮かべた。

油断していたのだ。先ほどまで自分が局面を支配していると思い込み、気を緩めた瞬間、男の急所を獣に膝で二発も強打された。大魔王は身体をエビのように折り曲げ、股間を両手で押さえている。

その緊迫した瞬間、獣はさらに片足を高く上げ、肩を超えて足裏を振り下ろし、大魔王の顔面に見舞った。

「ぐああっ!」

大魔王は苦痛の悲鳴を上げ、片手で股間を、もう片方の手で顔を押さえながら、もはや立っているのもやっとの状態だった。

しかし獣は少しも手を緩めない。歯を食いしばり、大魔王を引き裂きそうな凶暴な眼光を放ちながら、飛び上がって両手で...