君のために詩を書く

226話

司会者は赤いスーツを身にまとった中年男性で、マイクを手に会場の雰囲気を煽り立てていた。

「今宵のこの試合は、六合拳闘場の歴史上、最も激しく、最も見応えのある試合の一つとなります！」

「野獣と大魔王、この六合拳闘場で合わせて四十試合以上を戦い、たった一度しか敗北を喫していません。今日、二度目の敗北が生まれます」

「この試合は、どちらかが倒れるまで続きます！ルールなし、制限なしの格闘技！血なまぐさく、残酷で、暴力的！」

……

おおおおっ！

会場から歓声が沸き起こり、二、三百人の観客が一斉に両手を高く掲げて思い切り叫んだ。

老李と白小飞はすぐにその熱狂の中に飲み込まれていった。観客の歓声の中、野獣と...