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219話

「九龍城のカジノで賭けをしたことがあるのか?」老李は好奇心を抑えきれずに尋ねた。

「いや、ないよ!俺は雲城の者だ。兎も自分の穴の周りでは草を食わないってね。大陸唯一の合法カジノには手を出さないことにしてるんだ」

六指は首を横に振った。まるで節操があるかのような様子だった。

本当に捉えどころのない男だ。

「じゃあ、黒龍を怒らせた件は?」老李はまだ諦めきれず、再び質問を投げかけた。

「はぁ、あれは俺の不注意だったんだ。自分の本の中でマカオのポルトガルカジノで黒龍の側近と賭けをした経験を書いちゃってね。当時はその側近もまだ無名だったから、書いても問題ないと思ったんだ。でも思いもよらず、今や...