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212話

自分が入ってきた時に全員に威圧感を見せつけたおかげで、それ以降は誰も彼に手を出す勇気はなく、李さんに対して非常に敬意を払っていた。

留置所での生活は、工場で働くのとさほど変わらない。

朝の7時に起床して朝食を取る。おかゆと漬物は無料だが、お金があれば目玉焼きや肉そぼろ、塩魚なども買える。ただし外の値段より5倍も10倍も高い。

基本的に大半の囚人はお金を持っていないため、規定の作業量をこなした翌日の昼に報酬としてもらえる豚の角煮は、とてつもない誘惑だった。

8時になると、全ての囚人は留置所の作業場に入って仕事を始める。606号房の任務は造花を作ることで、一日一人あたり500個を作らなけれ...