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93話

夜半の無人、特に寺院のような場所は、本来人が少なく、ここに住む参拝客を除いては基本的に人影もない。夕方から蘇素はずっと機嫌が悪い状態で、顔を曇らせて夕食さえ食べていなかった。幽蘭と墨蘭の二人は明らかに調子の悪い蘇素を見て、困惑の表情を浮かべていた。慰めようにも何から言えばいいのか分からず、幽蘭はまだぼんやりとしていて、仏堂を出ると南苑へ国師様を探しに行ったが、しばらくすると顔を曇らせて戻ってきた。幽蘭はおそらく二人の間に些細な行き違いがあったのだろうと想像したが、少尊主のような方が……いや、考えるのはやめよう。お嬢様が元気でいられればそれでいい。

蘇素は椅子に座り、腕をテーブルに置いて両手で...