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55話

ベッドで何日も横になっていた蘇素は、すっかり調子を崩していた。肩の傷はまだ完全には治っていないものの、ほぼ良くなっていた。墨蘭と幽蘭の二人は毎日、まるで囚人を監視するかのように彼女を見張っていて、彼女も困り果てていた。

陸言書から借りた数冊の旅行記はとうに読み終えていたが、前回以来、彼の所へは行っていなかった。新しく彼らに頼んだ仕事がどうなっているのかも分からなかった。

「お嬢様、二番目のお嬢様がいらっしゃいました」蘇素がベッドで死んだように横たわっていると、外から墨蘭の声が聞こえてきた。

蘇菀?また何しに来たのだろう?本当に人の不幸は蜜の味というわけだ。彼女が怪我をした翌日、蘇菀は蘇毓...