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13話

白い頬が激しい動きで赤く染まり、額にはうっすらと汗が浮かんでいたが、薄紫の衣装をまとった少女はそれを気にも留めず、手元の作業を続けていた。

「紫漣姉さん、三小姐がお呼びです」

次の動作に移ろうとしていた少女は背後から聞こえた声に、手にした水桶を置き、振り返って伝言を届けた婢女に軽く頷いた。伝言を届けた婢女の目に映ったのは、右頬に目立つ青黒いあざのある顔だった。紫漣は婢女の嫌悪の視線を無視し、前の小さな広間を通り抜けて奥へと歩いていった。

そして伝言を届けた婢女は水桶を手に取り、再び作業に戻った。

古風な部屋には淡い香りが漂い、青い薄絹のカーテンが窓から入る風に揺れていた。窓際の貴妃椅子...