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829話

夜になると、私は張さんの警備室へ行った。入り口に着くと、誰も勤務していないことに気づき、少し驚いた。中に入ると、張さんが机に突っ伏している姿が見えた。不思議に思いながら彼の前に歩み寄り、肩を叩いた。

「兄貴、どうしたんだ?」

張さんは顔を上げて私を見ると、すぐに涙を拭いて言った。

「弟よ、来てくれたか」

私は頷いて尋ねた。「兄貴、どうしたんだ?何かあったのか?」

張さんはため息をついて答えた。「特に何かあったわけじゃないんだ。ただ、劉くんのことを思い出すと、どうしても胸が苦しくなって…」

そう言いながら、彼の目からまた涙がこぼれそうになっていた。

私も軽くため息をつき、口を開いた...