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778話

王先生は顔を赤らめながら私を一瞥し、口を開いた。「帰りましょうか」

私は頷き、二人は並んで歩き出した。

銭湯に戻ると、すぐに着替えて仕事に取り掛かった。五時まで働き、ほぼ片付いたところだ。

タバコを取り出して吸い始めたが、ふと気づくと最近は悩み事が多いせいか、タバコの量も増えていた。

それでも、以前に比べれば今の生活の方が好きだ。心に希望があるからだ。

昔のようにぼんやりと日々を過ごすのではなく。

しばらくタバコを吸った後、食事に行こうと思った矢先、見覚えのある人影が近づいてくるのが見えた。

よく見ると、なんと小芳だった。

その時になって気づいたが、小芳とはずいぶん会っていなかった。...