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715話

しかし、もう五十を過ぎた私に残された時間はそう多くない。どうやって這い上がればいいのか。一晩中考えたが、まったく良い方法が思い浮かばなかった。夜が明けるまでもがき続け、ようやく少し眠りについたと思ったら、目覚まし時計の音で叩き起こされた。

頭がぼんやりして、疲れた目をこすりながら、簡単に洗面を済ませて医務室へ向かった。今の私は若い頃と違う。一晩眠らないというのは体にかなりの負担になるのだ。

体中が重だるい感じで医務室に着くと、小芳たちがスマホをいじっているところだった。私を見るなり、彼女たちは親しげに声をかけてきた。

「王さん、おはようございます!」

私はうなずき、笑顔で言った。「何を...