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712話

胸に溜まった鬱憤が、一気に吹き飛ばされていく感覚だった。

この間ずっと、なぜだか心が重く、理由もなく落ち込んでいたのだが、老王の治療を受けたことで突然気分が晴れ渡った。思わず顔に笑みがこぼれ、老王を見る目さえ何となく優しげに見えてくるほどだ。

もちろん、私にはそんな気持ちの変化など知るよしもない。今の私は額に汗を浮かべながら、彼女の治療に全力を注いでいるところだった。王先生の月経不順は単純な症状で、治療自体は難しくないのだが、唯一厄介なのは根本的な原因を取り除くことだった。

この病気は、私が出会わなければそれまでだったかもしれない。だが一度治療を始めた以上は、完璧に治し切らねばならない。こ...