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596話

最後に残ったのは基本的に杜家の親戚ばかりだった。筋から言えば私も当然帰るべきだったのだが、杜月清はそれでも私を留めてくれたので、私は隅っこで彼らの様子を撮影していた。

「さあ!そろそろ遺言の件について話すべきじゃないか?」群衆の中から声が上がった。

見れば明らかに、この連中は皆遺言目当てで来ているだけで、本心から追悼に来たわけではない。私は傍らでこういった人々の一挙手一投足を撮影していた。

壇上に立っているのは杜家の長男、次男、三男だ。長男の手に握られているのが遺言書で、彼はこう言った。

「遺言は父上が生前にすでに作成していたものだ。遺言通りに財産を分配することに、皆さん異議はないでし...