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591話

「写真を撮る場所は昨日訪れた霊堂そのものだった。すべて予想通りだ。杜家のお爺さんはすでに赤い棺に納められ、昨日まで本堂に空っぽだった遺影額には、お爺さんの写真が収められていた。

親戚一同が霊堂で泣き、何人かの女性親族は棺にすがりつくように嗚咽を漏らしていた。

彼らの姿を見て、私は首を傾げずにはいられなかった。昨日までは冷淡で、お爺さんを気にも留めないような態度だったはずなのに、今日はどうして手のひらを返したように変わったのだろう?そう疑問に思っていると、杜月清が声をかけてきた。

「今から撮影してもらえるかしら」

私は一瞬、頭が真っ白になった。「今、撮るんですか?何を撮るんです?」

杜...