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579話

「写真の腕がいいと聞いたけど?」杜月清はそっけなく一言尋ねた。彼女は私をあまり良く思っていないようだった。

所詮彼女から見れば、一流のカメラマンは専用のスタジオを持っているものであって、こんな小さな作業場のようなところで仕事をするはずがない。それに私という人間は第一印象からしてあまりよくなく、ろくな人間には見えないのだろう。

「はは、何を撮るかによりますね。得意なものなら文句なしですが、アダルトビデオや盗撮みたいなものだったらお断りですよ」私は以前の経験から少し賢くなっていた。こういった金持ちが自分を訪ねてくるのは、きっと並外れた撮影の依頼だろう。少なくとも普通のポートレートや風景写真ではな...