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553話

車は何度も曲がりくねった道を進み、二階建ての豪邸の前に到着した。

「胡監督、確か行き先は…」と言いかけると、胡監督は説明を始めた。今夜は急遽別の仕事が入ったという。マンションの宣伝ビデオ撮影は明日に変更になったとのことだ。

この急な仕事も、何かの映像撮影らしい。

内心では少し不満だったが、それでも私は胡監督についていくことにした。ここは他人の縄張りであり、簡単に断れる立場ではないことは理解していた。

部屋の中には四人の男たちが座っており、その中央には美しく魅力的な女性が一人いた。

その女性は生まれつき笑顔が似合うタイプらしく、私が部屋に入った瞬間から、彼女の口元はずっと上向きのままだ...