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273話

「張遠はかなり回復しつつあったが、まだ少し力が入らない状態だった。それでも、もう薛仁貴に支えてもらう必要はなくなっていた。

そのとき、軍服姿の二人の男が見知った人物を連れて入ってきた。張遠が顔を上げると、その人物は陳子和の父親、陳軍だった。

実は陳軍は老爺の病気を聞いて、昼間にH市から上京してきたのだ。だが残念なことに、彼が病院の入り口に着いたとたん、二人の軍服姿の男に取り押さえられ、そのまま病室へと連行されてしまった。

彼はこの二人の軍服の男たちが老爺の警備員だと知っていたので抵抗はしなかったが、心の中では何が起きたのか、なぜ老爺がこれほど大げさな手段に出たのか、ずっと気になっていた。...