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188話

トゥバは部族内でかなり高い地位にあるようだ。それは彼の聖なる山への知識の深さからも窺える。頻繁に聖山に出入りしていなければ、あれほど地形に詳しいはずがない。

三人は警備を難なく避け、無事に聖山の内部へと足を踏み入れた。

聖山に入ってみると、張遠は周囲の光景にやや失望した。聖山と呼ばれてはいるが、実際は植物もほとんど生えていない禿げた岩山に過ぎず、小動物の姿さえ一匹も見当たらない。せいぜい、岩の形が少し奇妙で、その色もほとんどが黒々としており、重苦しく圧迫感のある雰囲気を醸し出している程度だ。まあ、恐ろしい魔王の住処というイメージには合っているかもしれないが。

「陳瑤さん、これ以上先には進...