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1276話

この男は後先考えずに私に向かって歩み寄り、拳を振り上げてきた。

幸いにも機転が利いた私は白杖を手放し、拾うふりをして彼の拳を避けた。

だが、しゃがんだ状態で彼の足が上がるのが見えた!避けるわけにはいかない!仕方なく体を回転させ、お尻を彼に向けた。

くそ、自ら進んで痛い目を見るハメになったな。

しかし、彼の蹴りは私に当たらなかった。

横目で見ると、梅子が後ろから彼を抱きとめ、玄関の方へ引っ張りながら、小声で何か話しかけていた。

伟哥がまだもがこうとすると、梅子は思い切り彼の頬を平手打ちし、一発で彼を呆然とさせた。

彼は茫然と梅子を見つめたまま、玄関から押し出された。

よろめいて数歩、階段から転げ...