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1231話

「先に出かけて飲み物を買ってきたから、一杯注ごうか」

「そうだね、ありがとう!」

そう言うと、彼女はキッチンへ入っていった。

出てきた時、手にはまだ開封されていないオレンジジュースのボトルが握られていた。

ふと、薬でも入れられるんじゃないかという考えが頭をよぎり、私は彼女の動きを目を離さずに見つめた。

彼女は私の前に来ると、キャップを開け、何も怪しい動作はなく、そのままコップに注ぎ、私の手に押し付けた。

「金水お兄さん、どうぞ!」

「暁娟、気を遣わせてすまないな。ちょっと慣れないよ」

普段と違う態度には必ず理由がある。

「金水お兄さん、前は無知だったの。許してね!」林暁娟はにこにこしながら言っ...