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1076話

「わ、私はその時頭に血が上って、手近にあったグラスを取ってしまったの」「私が目が見えないことを知らないの?避けられるわけないじゃない?」私は憤然と言い返した。

「その時はそこまで考えられなかったのよ」彼女の表情が急に変わった。「今、あなた死んでないでしょ、ふん!」「幸い死ななかったけど、もし死んでたら君は刑務所行きだよ。殺人罪だ!」「ふん、死んでないんでしょ?」彼女は腕を組んで、「やっぱり命が粗末だから、死にそうにないのね!」「さっき俺に何をしたんだ?」「何もしてないわ、胸を殴って、死んでるか確かめただけ!」彼女はそう言いながらも、小さな顔を赤らめた。

「おかしいな、なんで口の中が甘いんだ...