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1016話

「目の見えない坊や、今年おいくつ?」

「十九です」

「そんなに長い間、目が見えないなんて、辛かっただろうね」

「慣れましたから、大したことないです」

「そうだろうね。あなたたちのような人は、逆に普通の人より心が静かで、欲も少ないものね。そういえば、お兄さんはどんな仕事をしてるの?お嫁さんを見たら都会の人みたいで、とても綺麗だったわ」

「兄は村で初めての大学生なんですよ!」私は少し誇らしげに言った。「大学卒業後、合弁会社で経営アシスタントをしていて、今は海外に派遣されてるんです。一年後に戻ってくる予定です」

「それじゃあ、出世した『鳳凰男』ってやつね。だから都会の女性を嫁に迎えられたのね。でも、...