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788話

「本当よ、私の初キスは今日まで誰にもあげたことないの。だから今日はチャラよ!」林浩は指に残る香りを嗅ぎながら鄭詩雨に言った。「それに、君は僕の彼女なんだから、初キスを僕にくれるのは当然じゃないか!」

「あれは演技だったでしょ!」鄭詩雨は今になって気づいた。林浩は高校の頃からまったく変わっていない、相変わらず嫌な奴だと。

「そうだよ、あの時だって演技だったじゃないか。そんなに気にすることないよ!」林浩は色っぽい目で鄭詩雨を見つめた。この旧友が自分の手から逃げられるはずがない。

「あなたって...」

「もう遅いし、家まで送るよ!」林浩はそう言いながら椅子から立ち上がり、バイクのエンジンをか...