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377話

林浩は家に帰る途中、ポケットの携帯電話が突然鳴り始めた。

「いとこ、まだ帰ってこないの?もう私お風呂上がっちゃったよ」

「今帰るところだから、焦らないで!」林浩は電話を切ると、足早に歩き始めた。

家にほぼ着いたとき、林浩は庭の門の前で美しい女性が首を伸ばして辺りを見回しているのを見つけた。

これは昨日、池の畔で助けた喬雨じゃないか?

「おや、美人さんが来たね」林浩は挨拶しながら、喬雨を家の中へと案内した。

「うん、あなたに物を返しに来たの!」喬雨は頬を赤らめながら、林浩に黒い袋を差し出した。

林浩はもちろん喬雨が持ってきたものが何か分かっていた。手を伸ばして受け取ろうとしたその時...