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365話

「それで、出かけるって聞いたけど?」張田東は自分がこの林曦然に惚れていても手が出せない立場だったが、常に彼女の動向には気を配っていた。

張田東の甥っ子も長い間、林曦然に目をつけていたのだ。あの遠縁の甥は、家柄も林曦然に引けを取らない。彼が林曦然にアプローチすれば、かなりの可能性があるはずだった。

「同級生が用事で会いに来るので、張主任、ちょっと席を外させていただきます!」林曦然は許可を求める言葉を口にしたものの、実際には許可を得る気など毛頭なかった。

林曦然はデスクで簡単に身だしなみを整え、服を軽く直すと、階下へ向かった。

林浩は「美麗人生」カフェの高級個室を予約していた。二階の窓際の席...